税理士の履歴書・職務経歴書って、どんなことを書けばよいの? 税理士法人向けレジュメの書き方について解説

税理士や科目合格者の方が転職活動をはじめようとするときに、一番最初に応募書類として「履歴書」「職務経歴書」を用意することとなるかと思います。

ただ、一般的な書き方例として出回っているものは、営業職用のものが多かったりします。

また転職エージェントに相談をしても、総合型のエージェントだと、税理士ならではの履歴書・職務経歴書の書き方を知らないケースも見受けられます。

今回は、会計系転職エージェントで約10年経験をした私が、税理士の履歴書・職務経歴書の書き方について、解説していきたいと思います。

履歴書を書く上での注意点

基本的には、税理士も税理士以外も同じですので、「税理士ならでは」の箇所に注目して、解説をしていきます。

勉強期間によるブランクが学歴・職歴にある場合

税理士を目指すために、卒業後や就職後に一旦仕事を離れて勉強をしていた場合、そのブランク期間と内容を、「備考」欄に記載するようにしましょう。

例:「2020年4月〜2021年8月:税理士試験勉強に専念」

資格欄の書き方

資格欄には、税理士科目を取得した時期と、科目の名前を記載するようにしましょう。

(税理士資格をすでに取得した場合でも、どの時期にどの科目をとったか記載しておいたほうがベストです)

例:
2020年12月:税理士試験科目 簿記論・財務諸表論 合格
2021年12月:税理士試験科目 法人税法 合格

また、大学院進学による科目免除制度を利用して、税理士合格した場合、学歴欄に大学院通学歴を記載するとともに、備考欄にもその旨を記載しておくとわかりやすいです。

志望動機欄

志望動機欄には、当然「自分はなぜその法人を志望しているのか?」を記載します。

それを細分化すると、概ね下記の内容になります。

・自分は今後何をしたいと考えているのか?
例:私は今後相続税に関わっていきたいと考えています。

・なぜ自分のしたいことが、その法人で出来ると思ったのか?
例:貴事務所のホームページを拝見させていただき、単なる相続税申告だけではなく、生前対策からしっかりと資産の提案を行った上で、手厚く相続税のサポートを行っていることを知りました。

・自分自身が入社することで、どのようなことが期待できるのか?
例:私が今まで顧問先の対応にて培ったお客様対応力を貴事務所の相続税対応で活かすことで、私自身の成長、そして貴事務所の成長に貢献できればと考えております。

特に「なぜ自分のしたいことが、その法人で出来ると思ったのか?」については、その法人の研究が重要になってきます。

しっかりと調べた上で、書くようにしましょう。

職務経歴書を書く上での注意点

職歴欄

職歴欄には必ず、下記のことを記載するようにしましょう。

・対応していた法人の業種
・対応していた法人の規模(年商・資本金など)
・自身の担当数(法人○件、個人○件)
・自信が担当していた内容(税目、巡回担当をしていたかなど)

税理士の税理士法人への転職では、上記の項目を記載しておけば「これはできてこれはできないのだな」としっかり判断してもらうことができます。

逆に上記が記載されていないと、正しく経歴が判断されないことがあるので、しっかりと記載しましょう。

資格欄

履歴書にも記載した内容ですが、重要な内容ですので、職務経歴書にも確実に記載しましょう。

また、職務経歴書には「受験予定の科目」についても記載しておくと、今何を勉強しているのかなどもわかりやすくなるため、記載することをおすすめします。

その他よくある質問など

履歴書・職務経歴書は手書きじゃないとダメ?

基本的にはパソコンで打ったものをプリントアウトすれば大丈夫です。

そのほうが読みやすいですので、私が転職エージェントで働いていた際にも、よっぽどのことがない限り、パソコンやスマホで作成してもらっていました。

ただ、昔ながらの会計事務所などでは「履歴書だけは手書きが良い」と言われることもありますが、体感としては全体の5%程度かと思います。

レジュメを作る前に転職エージェント登録がおすすめ

上記の事項を読んでいただいても、履歴書・職務経歴書の書き方に迷われる方は多くいらっしゃると思います。

そういう際には、迷わず「とっとと転職エージェントに登録してしまう」ことをおすすめします。

理由としては2つあって

1.担当コンサルタントが、的確なアドバイスをしてくれて、スピーディーにレジュメが仕上げられる

転職エージェントは、皆さんの転職を成功させることで利益を上げている仕事です。

そのため、転職を成功させるための手段…もちろん書類通過させるためのレジュメについても心得ています。また、志望動機や自己PRの書き方などについても的確なアドバイスをくれるでしょう。

だからこそ、自分自身で考える前に、転職エージェントに登録をして、一緒にレジュメを作るようにすると、非常にスピーディーにレジュメを仕上げることができます。

また、転職エージェントによっては、エージェント登録したときの住所・氏名などをまとめて、自動的に履歴書のフォーマットを作成してくれるサービスもあり、それらを活用することで、更に早くレジュメ作成できるかと思います。

2.エージェントと関係性の強い税理士法人(会計事務所)の場合、履歴書・職務経歴書が不完全でも面接に進めてくれる可能性がある

これが私自身は最大の魅力だと感じています。

履歴書・職務経歴書はなぜ出すかというと、少々厳しい言い方をするのであれば

・応募者全員に合う時間がないから、いい人を厳選する・微妙な人を足切りするため

だと言えます。

逆に言えば、履歴書・職務経歴書がなかったり、内容が不完全でも、だれかが

・このひとめちゃくちゃ良いから、是非会ってみて!!!

と税理士法人(会計事務所)に自分のことをおすすめしてくれるのであれば、極論履歴書・職務経歴書の提出はいらないのです。(税理士法人側としても、書類選考の手間が減るというメリット)

転職エージェントを利用すると、担当コンサルタントが税理士法人(会計事務所)の書類選考の基準をよく理解しているため、たとえば下記のようなアドバイスをくれます。

・ここの法人は過去の実績が重要なので、「志望動機」「自己PR」は空欄で問題ない

・ここの法人は年商1億以上の税務経験が重視されるので、担当した法人規模は必ず記載をするように

そのようなアドバイスがあれば、余計なところに時間をかけず、最短工数でレジュメを作成できますね。

また私自身が転職エージェントをしていた際に、実際にしていた例として、転職希望者さまに

「レジュメが完成する前に、先に個人情報を伏せた上で概要だけ伝えて、面接にすすめるか確認しても良いですか?」

と許可を取り、転職希望者さまが応募したい税理士法人にたとえば「最終学歴は大卒、従業員数10名の会計事務所で3年間勤務。担当は法人20社の巡回担当、平均で年商1億、最大5億の先の担当をしていた方です」というような情報だけ伝え、レジュメを出す前に面接に進められたことなども数多くありました。

転職エージェントによっては、税理士法人から「あのエージェントのコンサルタントは信頼しているから、あの人が言うのであれば…」と、書類が不十分であったり、書類がない状態であっても、特別に面接に進めてもらうことがあります。

もちろん、面接当日までにあらためて履歴書・職務経歴書を用意する必要はあるのですが、もうすでに面接が決まっている状態であれば、余裕をもって履歴書・職務経歴書を用意できます。

そのため、是非レジュメの書き方に迷ったら、転職エージェントへの登録をしてみるようにしてください。

タイトルとURLをコピーしました